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<2018年度>

前年度以降の校長室より

 

  ~「カイコの不思議」校長講話より~

七沢希望の丘初等学校長/小島富司

 

今、季節は「芒種」で、農園の麦や蕎麦の実やジャガイモの収穫時期を迎え、一方、今週の13日(水)は田植え行事もせまり大忙しである。本校の春から夏に向けて取り組む体験栽培活動の賑やかな一学期の中盤で誠に恐縮ですが、遅ればせながらホームページ上にて一言ごあいさつ申し上げます。

この度春の人事異動にて、ご縁をいただき七沢幼稚園長より七沢希望の丘初等学校の校長職を拝命することになりました「小島富司」です。これまで築き上げてこられた本校の教育理念「生きる喜びを抱き、自ら学びを拓く」を目指しつつ希望の丘の教育の営みに今年度もしっかりと取り組みたいと思います。

さて、月初めの水曜日(6月6日)の朝会は、「校長講話」でした。「カイコの不思議」と題して、10分ほど話しました。あらかじめ子どもたちの前のテーブル上には、既に4、5日前から繭になった今年の春繭が、わら蔟(まぶし)と回転蔟に真新しく並び、併せて桑の葉を食む五齢のカイコを5、6頭ばかり提示しながら始めました。

先ず、「今日のお話のテーマは、カイコの不思議についてです。僕は今、自宅でカイコを飼育していますが、毎年今の季節は春繭ができる、カイコの世話で忙しい季節です。今日はその一部をここに紹介したいと思います。一つ目の不思議はカイコの呼び名です。カイコは漢字では『蚕』と書き、『こ』とも呼び、特に昔の人たちは『御蚕様』(おかいこさま)と呼びました。なぜこのように呼んできたのでしょうか。」と、聞いてみると。すかさず、2年生の女の子が手を挙げて、「とても大事に育てられてきたからです。」と、答えてくれました。

「その通りです。昔の人たちはカイコと一緒に同じ家の中で暮らし、繭になるまでとても大事に育ててきました。人々は皆、いい繭をたくさん作りその繭をお金に換えることで、暮らしを豊かにしょうとしてきたのです。だからこそ、カイコのことをとても大事な生き物として扱い、『おかいこさま』と呼んできたのです。」

 続けて、繭玉一個を手に取り上げながら、二つ目の不思議は、繭一つからどれくらいの長さの糸がとれるか、そして、「生糸」として昔の人たちが暮らしに役立ててきたことについて話しを進めた。~中略~

 さらに、「三つ目の不思議は、このお蚕様は4月22日に『毛子』(けご)として誕生し、毎日毎日桑の葉を食べ続けて、幼虫としてここまで大きくなりました。一齢から五齢まで『脱皮』(だっぴ)を繰り返し七㎝ほどの大きさになりました。間もなくお蚕様の身体が縮んで透き通るようになると、繭づくりが見られます。是非皆さんも観察してみて下さい。 ~後略~」

 

七沢希望の丘初等学校では、これまでそしてこれからも、教育理念/教育目標として「生きる喜びを抱き、自ら学びを拓く」ことのできる子どもに成長して欲しいとの願いを持ち続けてまいります。この「生きる喜び」とは、全ての人(人間)にとっての思考・行動の原点であって、同時に人間が生きていく上での最終目標にも繋がるものと考えます。

 私たち教職員一同、ここ七沢/日向の豊かな自然や歴史・文化に恵まれた生活環境を教育活動に生かし、そのことによって子どもたちが新たな希望を持ち自らの学びを拓いていく教育実践に努めます。子どもたち自らが、日々の暮らしの中で接する自然・生活体験の中から、疑問に不思議に気付きつつ調べてみようという、意欲・態度を身に付けて欲しいのです。

 学びの原点は、日常の生活体験や遊び体験の中にこそ、溢れるように潜んでいます。こどもたち一人ひとりが、そこに対していかに気付き探し求めて、発見できる知恵や逞しさや疑問に感じる不思議感を身に付けて欲しいのです。そのためには、日々の教育の営みの中に多種多様な「動機づけ」がなくてはなりません。

 本校の特色とする「テーマ学習」には、多様で豊富な「動機づけ」の場が溢れています。子どもたち一人ひとりが縦割り集団のグループの中で、時には子どもの個人の興味・関心をもとに日常の生活課題の解決を目指して、自ら考え自ら調べ主体的に実践していく問題解決学習に取り組みます。その結果として、子どもたち自身が手にした達成感や成就感とともに「学びの喜び」を大いに感じ取って欲しいと願うばかりです。